平成30年7月定例会での川原慶賀「長崎湾の出島の風景」の解説が長崎新聞で報道されました。

 

 

記事の内容

長崎史談会の定例会が 19日、長崎市出島町の出 島交流会館であり、同会 会長の原田博二氏がオランダで見つかった川原慶賀のびょうぶ絵「長崎湾の出島の風景」について 解説した。本作は、同国で100 年以上個人所有されていたのを、ライデン国立民族学博物館の前学芸員が2年ほど前に発見し、その後同館が購入した。8 曲1隻で、縦171センチ、横470センチ。出島出入絵師だった慶賀が1836年頃に制作したとみられ、長崎港を画題に出島 や大浦地域などが精緻に描かれている。原田氏は、本作を細かく見ながら分析。上部には、はるか遠くの伊王島や 野母半島、天草までも描かれていると紹介し、「慶賀は鳥瞰図に天才的な才能があった。おそらく何度も写生しながら構想を練 ったのだろう」と語った。 また、原田氏はびょうぶ絵に描かれ鳥瞰図の左岸とその対岸に架かる石造りの広馬場橋に注目。 1802年頃の絵巻には、 そこには木橋が描かれていると言い、本作によって木橋から石橋に替わる年代を絞ることができると説明した。本作発見の意義を原田氏は、1836年は出島について資料が あまりない時期。このびょうぶによって当時何があつたのか、なかったのかを整理する目安になる。今後も調査を続けたい」と語った。(田代菜津美)